iOSエンジニアとは?なるには?仕事内容・スキル・年収・将来性
iPhoneアプリの開発で活躍する職業が「iOSエンジニア」です。未経験からエンジニアへの転職を目指す方やスマホアプリ開発の仕事に就職を考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SwiftやObjective-Cなどの言語でアプリ開発を担当する「iOSエンジニア」の仕事内容やスキル、平均年収、将来性などを紹介します。
iOSエンジニアとは
iOSはアップル製品で動作するOSです。iOSエンジニアは、iPhoneやiPad、Macなどで動作するiOSアプリの開発を担当します。
会社に所属して自社のアプリについて機能追加や保守運用をおこなったり、受託開発の会社でクライアントから依頼されたアプリやゲームの開発に取り組むことも多いです。
なかには、副業や起業などでApp Storeで流通するiPhoneアプリの開発を個人でおこなうエンジニアもいます
iOSエンジニアの仕事
次にiOSエンジニアが業務で担当する内容についてみていきましょう。
アプリ開発
iOSで動作するアプリの開発をおこないます。小規模な開発ではエンジニア数人でチームを組み、担当した範囲のコーディングをおこないます。
開発するアプリは、ゲーム、漫画、求人、ECなど様々です。新規リリースを担当することもあれば、新機能や改善の開発をおこなうこともあります。
開発規模が大きくなると、サーバーサイドの担当やUI/UXデザイナーなど他の職種と共同で作業する箇所も増えてくるでしょう。
インフラ保守運用
iOSアプリの動作する環境やインフラストラクチャを構築し、サーバーなどのメンテナンスをおこないます。クラウド環境やLinuxに関する知識が必要となるでしょう。
アプリのバージョン管理やエラーや障害などの対応をおこなうことで、24時間365日安定してサービスの提供ができます。
市場調査
App Storeでは日々新しいアプリがリリースされランキングの顔ぶれも変わってきています。新しくリリースされたアプリをダウンロードして試してみたり、利便性の高いUIや機能をチェックします。
TwitterなどSNS上の口コミやアプリのランキングサイト、App Store上のDL数を集計するなど市場調査も業務において重要です。
iOSエンジニアのスキル
ここでは、iOSエンジニアに必要なスキルを紹介します。
プログラミング言語
ソフトウェアエンジニアとして働く以上、プログラミングスキルは必須です。未経験者はSwiftから習得するとよいでしょう。
Objective-C
初期のiOSアプリ開発案件では、プログラミング言語に「Objective-C」がよく採用されていました。
Objective-Cは、C言語をベースに「オブジェクト指向」を取り入れた言語です。他の言語と比べ複雑な面があり、習得が難しいといわれています。
2014年にSwiftが登場してからは、新規開発でObjective-Cの案件は少なくなっています。
Swift
新規のiOS案件では、Swiftで開発をおこなうことが多いでしょう。
Swiftはアップル社が作った比較的新しいプログラミング言語です。
SwiftはObjective-Cに比べ、シンプルでわかりやすいといわれています。
開発環境
iOSアプリの開発環境についての経験も必要です。仕様や開発のルールも学びましょう。
Xcode
Xcode(エックスコード)は、アップル社の提供する統合開発環境(IDE)です。ファイル管理やコンパイル、ビルド、検証、デバッグなどアプリ開発の一連の流れをサポートしてくれます。
Unity
iOSのゲーム開発では、開発環境にUnityを利用することもあります。GUI上でさまざまな設定をおこなえますが、JavaScriptやC#などでのコーディングも併用します。
iOSエンジニアの年収
平均的なiOSエンジニアの年収相場としては、550万円程度とされています。
未経験で入社した場合は、300万円から400万円からスタートし、ひととおりの業務ができるようになると500から600万円程度が期待できます。
フリーランスで働くiOSエンジニアでは、スキルや経験次第で年収が1000万円を超える場合もあります。
iOSエンジニアになるには
未経験者やプログラミング初心者でもiOSエンジニアに転職することは可能なのでしょうか。iOSエンジニアに挑戦する方法を紹介します。
未経験可の求人に応募する
未経験可の求人に応募して採用されればiOSエンジニアとして働くことができます。
IT業界はエンジニア不足といっても、アプリ開発の業界は即戦力を求めている会社も多く、本当にIT未経験だと就職が厳しいこともあります。
20代や30代前半であれば、比較的キャリアチェンジも容易ですが、目当ての会社にいけないことも当然あります。
その際は、まずエンジニアになることを優先しましょう。正社員として雇ってくれる受託系のIT企業に転職して、1、2年エンジニア経験を積んでからiOSエンジニアへ再度転職を目指すのです。
プログラミングスクールに通う
未経験で転職活動をして書類選考に通らない場合や技術を身につけてから転職したい場合は、プログラミングスクールもおすすめです。
独学でiPhoneアプリの構築を習得するのはハードルが高く、挫折することも多いです。
プログラミングスクールなら、詰まった箇所や不明な点を講師に聞きながら進めることができます。
ITエンジニアを目指す転職コースやiOSに使われるSwiftを学習するコースもあるため、探してみるとよいでしょう。
書類や面接で落ちてもあきらめない
未経験だと書類選考や面接で不採用となるケースも多いです。通常の転職以上にお祈りメールを受け取ることは事前に覚悟しておきましょう。
プログラミング経験や独学で作成したアプリなどの実績がある場合は別ですが、選考と同時に学習やポートフォリオの準備も進めておくと良いでしょう。
未経験でも採用されるために
未経験からiOSエンジニアを目指す場合でも、最低限の知識や下調べができていると採用の確率が高まります。
iPhoneアプリの開発についてある程度知識を持って、転職活動を行いましょう。
独学の環境を整える
iPhoneアプリの開発はMac上にXcodeをインストールしておこないます。自宅にWindowsのパソコンしかない場合は、開発用にMacのパソコンを用意しましょう。
開発をおこなう言語として、Objective-CとSwiftがありますが、Swiftを中心に独学するとよいでしょう。
アプリを開発してみる
MacのPCを用意したら、サンプルコードが記載されたSwiftの書籍などを参考に、実際に簡単なアプリを開発してみましょう。
電卓やカレンダーなどの単純な機能をもったスマホアプリを開発してみることで、プログラミングに入門できます。
iOSエンジニアの将来性
iPhoneアプリ開発の需要は高い
iOSに関する開発案件のなかでも、iPhoneアプリの新規開発や運用に携わるiOSエンジニアの求人ニーズは高いです。
エンジニアの数が不足しているため、経験の浅い若手や未経験者にもチャンスがあるジャンルといえるでしょう。
職場によって必要な言語が異なる
iOSエンジニアは、職場によって必要な言語が異なります。Swiftでの開発が主流ですが、Objective-Cでの開発にも柔軟に対応できるとよいでしょう。
Swiftは、視覚的にわかりやすくコーディングしやすい言語です。Objective-Cよりも習得しやすいため、未経験から独学でも学習はしやすいでしょう。
iOSの動向次第
スマートフォンの登場当初はiOSのユーザーが多数であり、スマホアプリの開発でもiPhoneアプリがほとんどでした。しかしながら、ここ最近数年はAndroidユーザーが増加しており、スマホOSのシェアも逆転の傾向がみられます。
iOSエンジニアの仕事についても、大元のプラットフォームであるアップルのシェアに影響されるところはあります。将来を考えると他の言語を学んでおくなどリスクヘッジは必要です。