フリーランスのRPAコンサルタント｜案件例・年収事情・仕事の獲得と独立方法

産業界全体でデジタルによる業務効率化の需要が高まる中、クライアントに対してRPAの導入や運用に関するアドバイスをおこなうコンサルタントの存在が注目を浴びています。それを受けフリーランスとして独立して活動するRPAコンサルタントという働き方も認知が広がってきました。

本記事では、そんなフリーランスRPAコンサルタントの魅力や役割、案件例、年収の傾向、仕事の獲得方法、独立のステップなどについて詳しく解説します。

RPA技術の進化と共に、独立コンサルタントとして活躍する可能性を追求する方々にとって、参考になる情報ではないでしょうか。

フリーランスのRPAコンサルタントとは

フリーランスのRPAコンサルタントとは、RPA（Robotic Process Automation）技術を活用して、クライアントの業務プロセスの効率化と自動化を支援する専門家です。独立した事業者として業務委託の案件を受注し、プロジェクト単位で報酬を受け取ります。

フリーランスのRPAコンサルタントは、以下のような役割を果たします。

役割	説明
業務プロセスの分析	業務プロセスを詳細に分析し、RPAで自動化の対象となる作業を特定します。効率化のポテンシャルを見極めます。
RPA導入戦略の策定	クライアントのニーズに合わせてRPAの導入戦略を立案します。どのプロセスを自動化すべきか、どのRPAツールを選ぶかを検討します。
RPAツールの選定と導入	適切なRPAツールを選び、組織内の業務プロセスに合わせて導入をサポートします。ツールの設定、カスタマイズ、システムとの統合を行います。
プロセスの自動化	対象となる作業をRPAツールを使用して自動化します。ソフトウェアロボットの設計、開発、テストを通じて業務の効率化を実現します。
トレーニングとサポート	クライアントにRPAツールの使用方法や管理手法をトレーニングし、導入後のサポートを提供します。
効果のモニタリングと改善	導入後の効果を監視し、プロセスの改善点を特定します。継続的な改善をサポートし、利用の拡大を図ります。

フリーランスのRPAコンサルタントという働き方

RPAコンサルタントが独立して、フリーで活動する際のスタイルは、以下の3つの側面で説明できます。

業務委託の案件を受注

フリーランスのRPAコンサルタントは、クライアントから業務委託で依頼を受ける形で働きます。クライアントの業務プロセスを分析し、RPAの導入や自動化に関するコンサルティングを提供します。主に準委任契約か請負契約での契約となりますが、案件の内容や範囲は多様で、クライアントのニーズに合わせたソリューションを提供することが求められます。

ワークスタイルを自身で決定

フリーランスのRPAコンサルタントは、参画するプロジェクトを自分で判断するため、場所や時間の制約について方針を立て、柔軟に仕事を進めることができます。在宅ワークや時短勤務など、個々のライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことも可能です。これにより、仕事とプライベートのバランスを取りながら高い生産性を維持できます。

会社員より高い報酬

フリーランスのRPAコンサルタントは、クライアントからの案件報酬を直接受け取るため、通常の会社員よりも高い報酬を得ることができる傾向にあります。ただし、報酬は案件の内容や難易度、自身のスキルや実績に応じて変動するため、適切な価格設定や交渉力が求められます。

これらの要素が組み合わさり、フリーランスのRPAコンサルタントは自身の専門知識を活かしてクライアントに価値を提供し、柔軟な働き方と高い報酬を実現することができます。

RPAコンサルタントのフリーランス案件例

RPAコンサルタントのフリーランス案件の例をいくつか紹介します。これらの案件内容は一般的なものであり、具体的なクライアントやプロジェクトによって異なる可能性があります。

自動化計画の策定

業務プロセスを自動化したいと考えるクライアントに対して、RPA導入の計画を策定します。どのプロセスが対象か、どのRPAツールが適切か、ROI（投資収益率）の見込みなどを評価し、スケジュールを提案する案件です。

RPAツール導入の実行支援

RPAツールの導入プロジェクトにおいて実行支援を担当します。業務フローやニーズを要件として定義し、コンサルタントとして適切なベンダーの選定から導入、設定、運用までプロジェクトの推進をサポートします。

RPA適用範囲の拡大プロジェクト

RPAでの業務プロセス自動化箇所を拡大するプロジェクトでは、コンサルタントは既存業務の分析とRPA化が可能な改善ポイントの特定を行います。また、ロボットの開発や業務でのトラブルシューティングも担当します。

トレーニングと知識共有

育成対象となるメンバーやチームに対して研修やセミナーを実施してRPAの知識やスキルを教育するトレーニングプロジェクトもあります。RPAの基本から応用までを指導し、自社内でのスキル向上を支援します。

運用とサポートの提供

RPAコンサルタントとして自動化されたプロセスの運用やメンテナンス、トラブル対応などの体制構築を行うケースもあります。クライアントが自動化を継続的に運用する際に必要なサポートを提供します。

これらの案件例はRPAコンサルタントが取り組む可能性があるプロジェクトの一部です。クライアントの業界や要求に応じて、案件内容は多岐にわたることがあります。

RPAコンサルタントが扱うRPAツールの例

フリーランスのRPAコンサルタントが扱う主要なRPAツールは以下の通りです。ただし、市場は常に変化しており、新しいツールが登場する可能性もあるため、最新の情報を確認することが重要です。

UiPath

UiPathは、世界的に広く使用されているRPAプラットフォームの1つで、ビジュアルなフローチャートインターフェースを提供し、多くのプロセスを自動化するための幅広いツールと機能を提供しています。

Automation Anywhere

Automation Anywhereは、プロセスの自動化とロボティクスプロセスオートメーション（RPA）のためのソリューションを提供するプラットフォームです。ビジュアルなプロセスエディタやAIを活用した機能が特徴です。

Blue Prism

Blue Prismは、ビジネスプロセス自動化（BPA）およびRPAプラットフォームで、プロセスの効率化と自動化を実現するためのツールを提供します。スケーラビリティとセキュリティに重点を置いています。

RPAコンサルタントとRPAエンジニアで案件の違い

フリーランスのRPAコンサルタントとRPAエンジニアは、両者ともプロジェクトにおいてRPA（Robotic Process Automation）に関連する役割ですが、それぞれ異なるスキルセットと役割を持ち、案件への関わり方も異なることがあります。

以下に、RPAコンサルタントとRPAエンジニアの主な違いを示します。

フリーランスのRPAコンサルタント

業務プロセスとビジネス洞察

RPAコンサルタントは、ビジネスプロセスの理解とアドバイスを重視します。クライアントの業務プロセスを分析し、どのプロセスが自動化の対象となるかを評価し、ビジネスの効率化を支援します。

戦略の策定と導入計画

RPAコンサルタントは、自動化の戦略と導入計画を策定する役割を果たします。クライアントのビジネス目標に基づいて、どのプロセスをどのように自動化すべきかを戦略的に決定し、プロジェクトを推進します。

RPAツールの選定

RPAコンサルタントは、適切なRPAツールの選定と導入フローの構想を行います。どのツールがクライアントのニーズに合致し、効果的な自動化を実現できるかを評価したうえで提案します。

フリーランスのRPAエンジニア

技術的な開発と実装

RPAエンジニアは、実際のRPAソリューションの開発と実装に従事します。ソフトウェアロボットの設計、スクリプトの開発、テストなどを担当し、自動化を具体的に実現します。

ツールのカスタマイズと運用

RPAエンジニアは、選ばれたRPAツールをカスタマイズして特定の業務プロセスに合わせた自動化を実現します。また、実装中や導入後など運用面におけるトラブルシューティングも担当します。

テクニカルサポート

RPAエンジニアは、導入後のプロジェクトで技術的なサポートを提供します。実行中のロボットの監視、問題の解決、アップデートなどを行い、運用を支援します。

要約すると、RPAコンサルタントはビジネスニーズと戦略の面に焦点を当て、RPAエンジニアは技術的な開発と実装に焦点を当てる役割を果たします。両者の協力によって、効果的なRPAプロジェクトが成功することが期待されます。

フリーランスRPAコンサルタントの年収事情

RPA分野でフリーランスとして働くコンサルタントの年収は、どの程度なのでしょうか。以下で説明していきます。

RPAコンサルタントの単価相場

RPAコンサルタントの単価は、経験、スキルセット、プロジェクトの規模、クライアントの業界などによって異なります。初級から中級のRPAコンサルタントの単価の目安としては月60〜80万円程度とされています。上級者や特定の専門分野を持つコンサルタントは、さらに高い金額でプロジェクトを受注することができます。

RPAコンサルタントのフリーランス収入目安

RPA分野のフリーコンサルタントが稼げる収入の相場は、仕事量やプロジェクトの種類によって異なります。一年間の売上としては、単価の目安に12をかけた720万円〜960万円程度が見込め、そこから経費や税金、保険料を引いた金額が収入になります。

独立前の年収や所属していた会社によっても独立後の収入は異なり、コンサルティングファーム出身であれば、年収が1000万円を超えることも珍しくないでしょう。

これらの数字は一般的な目安であり、地域や市場状況によっても異なる可能性があります。フリーランスとしてのRPAコンサルタントの収入は、自身のスキルと経験の成果に基づいて構築されるため、的確な価値提供と適切なプロジェクト選定が重要です。

RPAコンサルタントがフリーランスの仕事を獲得する方法

RPAコンサルタントがフリーランスの仕事を獲得するための方法はいくつかあります。

以下に具体的な方法を説明します。

エージェントに登録する

フリーランスのRPA案件を扱うエージェントやコンサルティング会社に登録することで、彼らが提供する業務委託の求人案件について紹介を受けることができます。エージェントがクライアントに提案をおこない、非公開の案件を紹介してくれる場合もあります。

クラウドソーシングを利用する

ランサーズ、クラウドワークス、ココナラなどクラウドソーシングプラットフォームを活用して、RPAコンサルタントのスキルをプロフィールとして登録し、クライアントからの仕事依頼を受ける方法もあります。

Webサイトで集客

自身の専門性や経験を示した個人ウェブサイトやポートフォリオを作成し、そこからクライアントにアプローチできます。SEO（検索エンジン最適化）を考慮してWebサイトを設計し、関心を持つクライアントを引き寄せる努力が必要です。

知人からの紹介

過去の職場や業界の人脈を活用して、知人や同業者からRPAの支援を受けたいクライアントの紹介を受ける方法も効果的です。信頼性と実績がある既存顧客から紹介を通じて仕事を獲得することもあります。

これらの方法はそれぞれ異なるアプローチを取りますが、自身のスキルや経験を適切にアピールし、クライアントに価値を提供することが成功するためのポイントです。多くの場合、複数の方法を組み合わせてアプローチすることが望ましいです。

RPAコンサルタントとして独立する方法

SIerやコンサルティングファームでの実務経験があれば、エージェント経由で仕事を受注できるためフリーのRPAコンサルタントとして活動することはそこまで難しくありません。

未経験者の場合は、RPAの実務経験を積むことからのスタートになるため、以下のステップを参考にRPAコンサルタントを目指すとよいでしょう。

RPAツールを扱う職業に就職する

RPAコンサルタントになるための第一歩として、RPAツールを扱う企業や組織に就職することが考えられます。この方法では、RPAツールや技術の基本的な知識を身につけながら、業務プロセスの自動化に関する経験を積むことができます。その後、経験を活かして独立する道を選ぶことができます。

RPAコンサルタントにキャリアチェンジする

RPAを扱う仕事で身につけたスキルをもとに、転職や部署異動でRPAコンサルタントにキャリアチェンジします。システムエンジニアやITコンサルタントの経験からRPAコンサルタントへの転身も可能です。RPAの基本的な知識やスキルを学び、前職の経験と知識を結びつけることで、RPAコンサルとしてステップアップを図ることができます。

実務を通してコンサルティングのスキルを身につける

RPAコンサルタントとして独立するためには、コンサルティングやプロジェクトマネジメントのスキルも重要です。実際のRPAプロジェクトに参加し、業務プロセスの分析、改善提案、導入計画の策定などを通じて実務に対応するスキルを身につけることができます。これにより、独立後にクライアントのニーズに合わせた効果的なRPAソリューションを提供できるようになります。

会社を辞めフリーランスとして活動する

会社員としての経験を積みながら、RPAの知識とスキルを深め、十分な自信を持った段階でフリーランスとして独立しましょう。副業で実力を試してみるのも方法のひとつです。自身のスキルや経験をブランディングし、クライアントに対して価値を提供することで、独立したRPAコンサルタントとして成功することができます。

これらの方法は、個人の状況や目標に応じて柔軟に選択できるものです。自身のスキルや経験を活かして、コンサルタントとしてのキャリアを築くために最適な方法を選んでみてください。