フリーランスのキャリアコンサルタントで独立できる?案件例・仕事獲得の方法
フリーランスのキャリアコンサルタントは、組織に所属せず個人事業者として法人や個人のクライアントに転職支援やキャリアプラン作成などのサービスを提供します。
キャリアコンサルタントは国家資格である反面、案件を受注するための競争は激しいため独立の成功にはライバルとの差別化や積極的な営業活動が必要です。
この記事では、そんなフリーのキャリコンとして活躍する難易度や仕事を獲得する方法についてわかりやすく説明します。
- フリーランスのキャリアコンサルタントとは
- フリーランスのキャリアコンサルタントという働き方
- フリーランスのキャリアコンサルタントの課題や懸念
- キャリアコンサルタントのフリーランスが難しいと言われる理由
- キャリアコンサルタントのフリーランス案件例
- フリーランスのキャリアコンサルタントで仕事の獲得方法
- キャリアコンサルタントとして独立する方法
フリーランスのキャリアコンサルタントとは
フリーランスのキャリアコンサルタントは、独立した個人事業者の立場で活動し、クライアントに対してキャリアに関するアドバイスや支援を提供する専門家です。経歴やスキル、興味、価値観、指向性などを評価し、相談者が適切なキャリアパスや職業を見つけるのを手助けします。
独立後は組織に所属しないため、自身の判断でコーチングや資格対策、社会保険労務士などの案件と組み合わせて事業の収益化を行います。
以下に、フリーランスのキャリアコンサルタントの特徴や活動について説明します。
独立性
フリーランスのキャリアコンサルタントは自身でビジネスを運営するため、自己管理能力やビジネススキルが求められます。スケジュールを管理し、クライアントとの契約やプロジェクトを調整します。
専門知識
キャリアコンサルタントの資格を保有し、人材開発、職業診断、キャリアリサーチ、履歴書や面接のアドバイスなど、キャリアに関する様々な領域で専門知識とスキルを持っています。
営業努力
フリーランスのキャリアコンサルタントは、自分自身をマーケティングし、クライアントを獲得するための営業活動を行う必要があります。Webサイトやソーシャルメディアを活用して、見込み顧客に役立てる点をアピールします。
フリーランスのキャリアコンサルタントとして成功するためには、専門的な知識とスキルだけでなく、ビジネス運営やマーケティングに関する理解も重要です。
教育機関や人材紹介会社に対しても価値を提供し、クライアントのキャリア成長を支援することで、満足のいくキャリアを築くことができます。
フリーランスのキャリアコンサルタントという働き方
フリーランスという働き方は、キャリアコンサルタントに柔軟性、多様性、および収入向上の機会を提供します。それぞれのポイントについて以下で説明します。
柔軟なワークスタイル
フリーランスのキャリアコンサルタントは自分が受ける仕事を自分で決めるため、柔軟な働き方が可能です。依頼される業務内容はもちろん、在宅ワークでの作業やミーティングの頻度、報酬金額など、クライアントとの合意により調整することができます。これにより、仕事とプライベートのバランスを取りやすく、その時の状況に合わせた生活スタイルを築くことができます。
幅広い分野で活躍
フリーのキャリアコンサルタントとして独立後は、キャリア相談に留まらない幅広い分野で活動することができます。さまざまなジャンルの案件に対応できる知識とスキルを持つことで、経営や労務管理、メンタルケアなどの課題にも対応できます。ニーズや目標を理解したうえで、多様なクライアントにアプローチしていきましょう。
収入のポテンシャル
フリーランスのキャリアコンサルタントは、誰もが稼げる職業というわけではありません。しかしながら、継続的に収益を伸ばすことができれば会社員以上の収入を得ることも夢ではありません。フリーランスで成功するには、高品質なサービスを提供し、クライアントからの信頼を得ることが重要です。一度信頼を築けば、リピートでの依頼や口コミによって収入が増える可能性があります。
フリーランスのキャリアコンサルタントとしての働き方は、自己決定の権限や成長の機会を提供し、よりよい収入を得る可能性がある魅力的な選択肢です。ただし、自己管理能力やビジネススキルの向上、クライアントのニーズへの適切な対応など、成功するためにはさまざまな要因を考慮する必要があります。
フリーランスのキャリアコンサルタントの課題や懸念
フリーランスのキャリアコンサルタントとして働く際には、いくつかの課題や懸念が存在します。それぞれの課題について詳しく説明します。
収入は自分次第
フリーランスのキャリアコンサルタントは、収入がプロジェクトやクライアントの契約に依存するため、安定した収益を得るためには自身のスキルや専門知識を継続的に向上させ、クライアントからの信頼を築く必要があります。収入の安定性を保つために、適切な料金設定や取引先を増やす努力を続けることが重要です。
取引先とのトラブル対応
フリーランスとして仕事をする際は、取引先との合意事項や契約内容を書面にして明確にすることが重要です。また、プロジェクト進行途中での減額要求、未入金、請求漏れなど支払いに関するトラブルが発生する場合もあります。このような状況にもすべて自分で対応しなければなりません。ただし、契約書の作成や事務手続きなどは外部に発注できますし、必要に応じて法的なアドバイスを求めることも可能です。
福利厚生などの不安
フリーランスのキャリアコンサルタントは、個人事業主の立場で活動することが多く、組織に所属しないため、従業員としての福利厚生や保険などの恩恵が受けられないことがあります。健康保険や年金などの社会保障制度への加入や、個人での保険加入など、きちんと自己管理できる方法を見つける必要があります。
これらの課題に対処するためには、計画的なビジネス戦略の策定、コミュニケーションスキルの向上、リスク管理の意識を高めることが必要です。
フリーのキャリアコンサルタントとして成功するためには、自己成長やスキル向上だけでなく、ビジネス全体の側面をバランスよく考えることが重要です。
キャリアコンサルタントのフリーランスが難しいと言われる理由
IT系の職種に比べ、キャリアコンサルタントのフリーランスは食べていくのが難しいと言われています。その要因について以下で説明します。
キャリア相談での収益化が難しい
キャリアコンサルタントを名乗るためには、国家資格を取得してキャリアコンサルタント名簿に名前を登録する必要がありますが、キャリア相談を行うこと自体に、特定の資格やライセンスが必要とされているわけではありません。
そのため、多くの人が相談やアドバイスを提供することができる状態であり、高品質なサービスの提供がすぐさまお金につながりづらい状況となっています。
案件獲得の難易度が高い
キャリア相談の分野において、多くのプレイヤーがフリーランスとして参入しており、競合となるライバルが多い状態です。このように、案件獲得の競争が激しい点も生き残りの難易度をあげています。クライアントとの信頼関係を築くには時間と努力がかかり、実績のない独立初期の営業は特に難しい場合があります。
また、キャリアに関するコンサルティングの需要は一定の季節変動があるため、通年で安定した仕事を確保しづらい点にも留意しておきましょう。
キャリアコンサルタントのフリーランス案件例
フリーランスのキャリアコンサルタント案件について、いくつかの例を紹介します。
転職支援
転職の成功に向け履歴書・職務経歴書の添削や面接対策などを行う。キャリアの方向性をアドバイスし、志望企業の評価も行うことがあります。
キャリアプランニング
長期的なキャリアの目標やステップを明確にするためキャリアプランを作成。現在のスキルや強みを分析し、将来の成長をサポートする。
スキルアップ提案
リスキニングによりスキルや知識を向上させるためのトレーニングや学習プランを提案、キャリアのアップグレードを支援する。
起業支援
起業志望者に対して、ビジネスプランの確認やマーケティング戦略の立案、資金調達のサポートなどを行い、事業開始に向けた支援を実施。
リーダーシップ開発
管理職やリーダーとしてのスキルを向上させるためのコーチングやトレーニングを提供し、受講者のリーダーシップ力を高める。
セミナーやワークショップの開催
キャリア関連のセミナーやワークショップを企画・開催し、キャリアに関する知識やスキルの共有を行う。
職場環境改善の提案
クライアントの職場環境や組織文化の改善をサポートし、働きやすい環境の構築を支援する。
これらの案件例はキャリアコンサルタントが提供できるサービスの一部です。クライアントのニーズに合わせてカスタマイズされたサービスを提供することが重要であり、柔軟なアプローチが求められます。
フリーランスのキャリアコンサルタントで仕事の獲得方法
フリーランスのキャリアコンサルタントとして独立後も収益を上げ続けるためには、以下のアイデアや方法を検討するとよいでしょう。
カウンセリングやコーチングも受注する
さまざまな人の相談にのってきた経験をいかして、目標達成を補助するコーチングや精神に対するカウンセリングのサービスを提供することで、キャリア相談以外の収益を得ることができます。クライアントとの個別セッションを通じて、キャリアの目標設定やメンタルケアなどのサポートを実施することも可能です。
社会保険労務士や中小企業診断士との併用
キャリアコンサルティングに関連する資格を自身で取得したり、それらの資格を持つ専門家と提携し、クライアントに総合的なサービスを提供することも可能です。たとえば、社会保険労務士の資格を取り人事・労務関連のアドバイスや書類面のサポートも提供することで、付加価値を高めることができます。
資格対策講座の講師や対策教材の販売
キャリアコンサルタント試験の対策講座や資格対策の教材を提供することで収益を得ることができます。自身の専門知識や経験を活かして講師として活動したり、受験生のサポートを行う形でも収益を上げることができます。
オンラインプラットフォームでの提供
ココナラ、タイムチケットなどのプラットフォームを活用して、オンラインでキャリア相談やコンサルティングサービスを提供することができます。オンライン会議で地理的な制約を超えて広くクライアントと接触したり、スポットでアドバイスを実施します。
Webライティングの案件を受注
キャリアに関するコンテンツを提供するために、Webサイトやブログ記事の執筆案件を受注することも考えられます。キャリアアドバイスや転職に関する記事などを執筆し、情報提供を行うことで収益を得ることができます。
これらの方法は、キャリアコンサルタントとしての専門性やスキルを活かし、多様な収益源を確保するためのアイデアです。自分の強みや興味に合った方法を選び、戦略的に取り組むことで、収益を増やすことができるでしょう。
キャリアコンサルタントとして独立する方法
キャリアコンサルタントとして独立するための方法を以下の4つに分けて説明します。
資格を取得する
キャリアコンサルタントとして独立するためには、国家資格を取得する必要があります。学科試験と実技試験の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録すると「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。
中小企業診断士や社会保険労務士の資格なども独立に役立ちます。これらの資格を取得することで、専門的な知識やスキルを身につけ、クライアントの信頼を獲得しやすくなります。
就職支援や転職支援で実績を積む
また独立する前には、就職支援や転職支援など人材業界の会社で働くなどしてキャリアカウンセリングの実績を積むことが役立ちます。実務経験を通じてキャリアに関するアドバイスのスキルを磨き、クライアントと信頼関係を築くことができます。
独立の準備をする
独立を準備する段階では、ビジネスプランを作成し、収益モデルやクライアント獲得戦略を明確にします。また、必要な資金やオフィスの準備、事業の手続きなども整えます。独立後のスムーズな運営を見越して計画を立てることが大切です。
会社を辞め開業する
独立するためには、現在の職場を辞めることが必要です。辞めるタイミングや方法を慎重に考え、会社を辞めた後に開業する準備を整えます。開業時には、開業届の提出や社会保険の手続きを行い、事業を正式に始める準備を進めます。
これらのステップを順に進めることで、キャリアコンサルタントとしての独立を成功させることができます。ただし、計画的な行動、専門知識の習得、クライアントとの信頼関係の構築など、独立後も努力が必要です。