プロダクトマネージャー(PdM)の副業は稼げる?単価相場・案件の探し方
テレワークが世の中に浸透しきた結果、副業をおこなう会社員も珍しくなくなってきました。Web業界やSaaS企業、メディアなどに所属し会社員として働くプロダクトマネージャー(PdM)のなかにも複業や兼業で収入アップを目指す方も多いのではないでしょうか。
この記事では、プロダクトマネージャーが副業する方法や稼ぎ方、単価の目安、求人案件や仕事の探し方について紹介します。
- プロダクトマネジメントの副業をはじめよう
- プロダクトマネージャーの副業案件の探し方
- プロダクトマネージャー副業の種類
- プロダクトマネージャーの副業に必要なスキル
- プロダクトマネージャーが副業するメリット
- プロダクトマネージャーが副業するデメリット
- プロジェクトマネージャー副業の単価相場
- プロダクトマネージャー副業の始め方
- まとめ
プロダクトマネジメントの副業をはじめよう
少子高齢化による労働者人口の減少が目に見えて広がるなか、世の中的にもリモートワークの普及や副業解禁、仲介プラットフォームの増加といったスキルシェアの仕組みが整ってきました。
システム開発や新規事業の創出、コンテンツ作成、スマホアプリなどの領域でも、人手不足を解消する手段として外部人材の登用が注目されています。
ここからは、プロダクトマネージャーの副業が普及する背景を紹介します。
プロダクトマネジメント経験者の求人需要は盛況
勤怠や労務管理、人材採用、財務経理、営業、マーケティング、PR、CS、製造など、ここ数年で法人向けのSaaS製品やデジタルツールが様々なビジネスシーンで急速に利用されるようになりました。
また、Webメディア、SNS、Eコマース、ゲームなど消費者むけのプロダクトも増加し続けており、それら製品の継続的な開発と成長発展をリードできる人材の不足が顕著になっています。
プロダクトの開発や運営においては、マネタイズ施策の立案や開発計画の策定、人材採用と配置、プロモーションなど幅広いタスクを同時進行で取りまとめる必要があり、モニタリングする項目も多岐にわたります。
また、ゼロイチフェーズでPMFの達成を経験したことのある人材は絶対的な分母が少なく、求職者市場に出回らない点もこの状況に拍車をかけています。
プロダクトマネージャーは副業しやすい
上記の通り、プロダクト成長の陣頭指揮をとることができ、適切な課題認識や解決策の立案、チームビルディングを行える人材に対して、企業からのニーズが高まっていることに加え、プロダクトマネージャーには副業しやすい理由があります。
フルリモートOKの仕事がある
先端的なテック企業やWeb業界では、リモートワークを取り入れる職場が多くあります。必要に応じてチャットやオンラインMTGなどの対応は必要ですが、在宅での作業が可能な副業に絞っても案件を探しやすいでしょう。
本業で会社員として雇用されており、フレックス勤務などの制度がないと、副業のタスクを処理するのは、平日の業務後や土日での作業が中心になります。
それに対して、クライアント先に常駐する必要がなく、フルリモートで受けられる仕事が豊富なプロダクトマネージャーは副業に適しているといえるでしょう。
タスクとの相性が良い
プロダクトマネージャーの役割は、主にプロダクトやチームに関する課題の把握と意思決定です。それらのタスクを完了するために、必ずしも自ら手を動かして開発をおこなう必要はありません。その点も、プロダクトマネージャーが副業をしやすい理由のひとつです。
実際の制作や開発は、デザイナーやライター、エンジニアなどの実務作業者が担当するため、プロダクトマネージャーは管理に集中することができるのです。
また、チームの状況を把握して、アドバイスや提案のみをおこなう副業もあります。
プロダクトマネージャーの副業案件の探し方
次に、プロダクトマネージャー(PdM)が副業で仕事を探す方法をみていきましょう。
人から紹介される
副業を始めるきっかけとして比較的多いのが知人・友人経由で仕事を請け負うことです。家族や親戚などからの相談をきっかけに副業の依頼に繋がることもあります。
IT業界で転職経験がある人の場合、前職の同僚や同期、取引先や同業者などからの依頼も多く、知り合いのスタートアップ・ベンチャーや起業した友人を手伝うこともあります。
副業とはいえ仕事としてプロダクトマネジメントを行う以上は、受注した内容に責任が発生します。しっかりと契約をまとめ書面で締結しておきましょう。
友達からお金を貰うのは申し訳ないという場合は、知人から仕事をとることを避け新しく取引先を開拓したほうがよいでしょう。
クラウドソーシングで探す
プロダクトマネージャーが副業案件を探す際に、もっとも簡単な方法はクラウドソーシングを利用することです。
クラウドソーシングは、個人事業主や法人の受注者と仕事を依頼したい発注者をつなぐプラットフォームです。
ココナラやランサーズ、クラウドワークスなどのサイトで検索すると、タイミングによってPjM/PdMの案件が掲載されています。
サイト上から必要情報を入力して、手続きをすると、ワーカーとして登録され、依頼者への提案が開始できます。
エージェントを利用する
業務委託の求人を紹介する副業・フリーランス専門のエージェントを利用してクライアントを探す方法もあります。
エージェントに初回登録した際の面談や仕事の発注を検討するクアライアントとの面談もあり手続きは面倒ですが、その分、高単価な案件も多いです。
フリーランスとして働くプロダクトマネージャーは、週5日で100%稼働するワークスタイルもありますが、副業では、月15〜30時間などで働く形になるでしょう。
プロダクトマネージャー副業の種類
プロダクトマネージャー(PdM)が請負う副業としては、どのような仕事があるのでしょうか。ここでは副業の種類をいくつか紹介しましす。
コンサルティング
大手企業の新規事業開発やスタートアップに対して自身の経験や知識、人脈を活かし、プロダクトマネジメントに関するコンサルティングを提供します。製品戦略の立案、ロードマップの作成、プロジェクトの進捗管理、デザイナー、マーケター、エンジニアの調達などを支援します。
実行支援
自身の専門知識や実績に基づいて、特定のプロダクトやサービスの改善プロジェクト、事業化支援などを担当します。ユーザーリサーチや競合分析を通じて問題を特定し、改善の提案や実装をサポートします。
マーケティング
プロダクトをローンチした後のフェーズでプロジェクトに参加し、マーケティング戦略やプロモーション活動、ユーザーエクスペリエンスの改善などプロダクトの利用者が拡大する支援を担当します。
研修・トレーニング
プロダクトマネージャーとしてのスキルや知識を活かし、プロジェクトマネジメントに関するトレーニングやワークショップを提供します。新入社員やチームメンバーに対して、ベストプラクティスやスキルの習得をサポートします。
プロダクトマネージャーの副業に必要なスキル
ここでは、プロダクトマネージャー(PdM)として副業の仕事を獲得する際に必要となるスキルセットを紹介します。
プロダクトマネジメントスキル
プロダクトマネジメント業務をおこなううえで、プロダクトを企画・開発し、ユーザーに届け、収益化に至るまでの全般的な知識と経験が必要です。
以下では、代表的な知識を紹介します。
ビジネス
ビジネスの視点から需要と供給のギャップを捉え、プロダクトを目標に沿って成功させる戦略を描きます。世の中のトレンドや競合の動き、顧客ニーズの理解、ビジネスモデルの考案と収益化施策の立案などを実施します。
テクノロジー
プロダクトの技術的な側面を理解し、テクノロジーの進化とトレンドに対応します。最新技術の理解やトレンドの把握、技術的な制約や可能性の評価、開発チームとのコミュニケーションなどに役立ちます。
UX
プロダクトマネージャーは、ユーザー中心の設計と優れたユーザーエクスペリエンスを追求する必要があります。調査や分析を通じて、ユーザーのニーズと行動を理解し、その情報をもとにプロダクトの設計や改善に反映させます。
プロジェクトマネジメントスキル
プロダクトの管理者として、方向性や企画を形作るコンセプトメイキングのスキルと共に、品質や進行を管理するプロジェクトマネジメント能力が求められます。
企画
プロジェクトの目標、範囲、納期、リソース、タスクの割り当てなどを明確に定義します。計画にはWBS(Work Breakdown Structure)、スケジュール、リスク管理などが含まれます。
メンバーアサイン
チームメンバーの役割と責任を明確にし、コミュニケーションと協力を促進します。リソースの割り当てとタスクの管理を行い、スキルや能力を最大限に活用します。
品質管理
プロジェクトの成果物やプロセスの品質を確保します。品質基準の設定、品質監査、テストと検証、品質改善活動などが含まれます。
プロダクトマネージャーが副業するメリット
ここからは、プロダクトマネージャー(PdM)が副業するメリットについて紹介します。
収入を増やせる
プロダクトマネージャーが副業をおこなうメリットとして、仕事の内容として単価が高いため、案件さえ決まれば、収入をアップしやすいことです。
会社員としての給料も恵まれやすいですが、副業では報酬額についても自分でコントロールしやすく、コツをつかめば本業と副業のダブルの収入で効率よく資産を増やすことができます。
また、20代後半や30代前半などの若手プロダクトマネージャーでは会社の給料だけで、満足できないという方もいるかもしれません。
スキルアップできる
Web系のメガベンチャーやSaaSプロダクトの有名企業で働くプロダクトマネージャーは、最新技術や先端分野の案件にも携わりやすいです。
一方で、成長の鈍化した事業会社や中小企業ではたらくプロダクトマネージャーは、経験やスキルが偏ってしまう傾向にあります。
副業で本業とは違う業界やフェーズのプロダクトに関わることで、スキルアップに役立つでしょう。
独立の準備
プロダクトマネジメントの分野で起業や独立を考えた際に、自分がフリーランスで通用するかどうか副業を通して確認することができます。
個人事業主として青色申告の申請をして、帳簿作成や確定申告を行っておくと、住民税や所得税などの申告に慣れておくことができるでしょう。
会社員時代から副業の案件を獲得しておくと、独立後に顧客がある状態から事業を開始できる点もメリットです。
プロダクトマネージャーが副業するデメリット
次に、プロダクトマネージャー(PdM)が副業するデメリットについて紹介します。
自由な時間が減る
副業のデメリットとして、本業と別に副業をすることで、自分の自由な時間が減ってしまうことがあげられます。
副業は本業が終わったあとの業務後の時間や休日に実施することになります。そうすると、自然と余暇の時間やリフレッシュの機会は減ってしまいます。
独身の場合は、自由な時間も多いですが、30代や40代で、結婚して家庭を持っていると時間の制約を感じることも多くなるかもしれません。
心理的な負担やストレス
副業では、新しい人間関係や慣れない環境で作業をおこなうことになります。それにともなう心理的な負担やストレスにも気をつけましょう。
副業に時間やリソースを割くことで、本業のプロジェクトに対する集中力やパフォーマンスに影響が出る可能性もあります。注意を割く対象が増えるため、そのような点で心労を抱えてしまう人は注意が必要です。
プロジェクトマネージャー副業の単価相場
プロジェクトマネージャーとして3年以上の業務経験がある経験者で、副業報酬の単価相場としては、時間あたり5000円〜7000円程度が目安になるでしょう。
フリーランスのプロジェクトマネージャーが週5日で稼働する場合の報酬で約80〜200万円程度のため、週1日の稼働では、5分の1相当が妥当でしょう。
もちろん、過去に所属した企業や経歴により報酬の金額も上下します。
プロダクトマネージャー副業の始め方
プロダクトマネージャーが副業するには、ほとんどの場合で実務経験が必要になります。実績を積めるよう自社でプロダクトを開発する会社に就職するとよいでしょう。
プロダクトマネージャーの実務経験を積む
プロダクトマネージャーの副業を受注するには、正社員としてSaaS企業やスマホアプリ開発、メディア運営企業などでプロダクトマネジメントをおこなう立場で働いた実績が必要です。
プロダクトマネージャーとしての経験がない場合は、まずは転職して現場で実務経験を積みましょう。
副業をこなす時間を確保する
日中は会社員としての本業でプロジェクトに参加し続けながら、副業でも仕事をおこなう時間を確保する必要があります。
平日の夜間や土日祝日など業務時間外の時間を副業の時間にあてるため、プライベートの時間が減ることは予めおぼえておきましょう。
副業の仕事を獲得する
クラウドソーシングサイトや副業プラットフォーム、フリーランスエージェントに登録して、実際の仕事を探してみましょう。
業務委託で仕事をうけるためには、自身の有用性をクライアントに証明する必要があります。実績をまとめたポートフォリオや職務経歴書を準備しておくとよいでしょう。
まとめ
今回は、新規プロダクトの企画開発や既存製品の改善、マーケティング、市場調査、UX(ユーザーエクスペリエンス)などプロダクトに纏わる様々な事柄に関わるプロダクトマネージャー(PdM)の副業について紹介しました。
副業プラットフォームやクラウドソーシングの普及により、平均的な会社員のスキルでも、業務経験があれば副業を始められる風潮になってきました。
フリーのプロダクトマネージャーとして、個人事業主として独立や起業を検討している際は、まず副業としてスタートしてみるのもひとつの方法でしょう。
副業を試してみる場合は、会社員として所属する会社でそもそも副業が許可されているかの確認も大切です。本業の上司に聞いてみたり、就業規則のチェックはしておきましょう。