フリーランスエージェントとは?その仕組みとエンジニアが登録する理由
最近では、ITエンジニアを中心にフリーランスという働き方が世間でも認知されてきました。
個人事業主として活動するフリーエンジニアは、案件単位で仕事を選択でき単価や条件面を交渉できるため、サラリーマンと比べ収入の向上幅が大きいこと、会社に縛られない点などがメリットです。
一方で、フリーランスとして働く場合に心配される点が営業面です。仕事やタスクが継続的に用意される会社員と異なり、フリーランスは参画する案件を自分で探しだし受注することではじめて業務がスタートします。
エンジニアやデザイナー出身で、クライアントとの交渉や見積りなどの業務に不慣れなこともあり、独立後も安定的に仕事を受注できるかどうかが不安という方も多いのではないでしょうか。
今回は、エンジニアやプログラマー、デザイナーといったIT技術者がフリーランスの客先常駐案件を探すうえでよく利用するエージェントの仕組みについて紹介します。
フリーランスエージェントとは
フリーランスエージェントは、プロフェショナル人材を活用したいクライアント企業と業務委託で仕事を請けたい個人を仲介する存在です。
個人事業を始めたばかりで伝手がなく、紹介から仕事を見つけることが難しいような場合でも、エージェントに登録することでスキルや経験業務に見合った案件の紹介をうけることができます。
フリーランスエージェントの仕組み
エージェントは仕事を探しているフリーランスと要員を探している企業とをマッチングします。
ここでは、ビジネス上の仕組みやエンジニアが登録する理由についてみていきましょう。
エージェントの収益構造・ビジネスモデル
エージェントの多くは仲介手数料と呼ばれるマージンを収益としています。そのため、フリーランスがエージェント経由で仕事を獲得した場合は、クライアントから支払われる金額をそのまま報酬として受け取れるわけではありません。
クライアント企業からエージェントが受け取る金額から手数料を引いた金額がフリーランスの受け取る金額になります。手数料の相場は10から20%といわれており、料率を開示しているエージェントもあれば非公開のエージェントもあります。
仲介マージンについては、ネガティブな意見もありますが、営業やサポートなどエージェントの提供する機能に対して適切かどうかを判断する必要があるでしょう。
エンジニアがエージェントに登録する理由
仲介手数料が発生するにもかかわらず多くのエンジニアがエージェントに登録し仕事を探していますが、よくある理由として営業を丸投げできる点があげられます。
いちから営業をして案件の受注をするのは、労力の面でも時間の面でも効率が悪く、その部分をエージェントを利用することでショートカットできることはエンジニアにとってのメリットといえるでしょう。
また、営業以外の面でもエージェントは登録するフリーランスにさまざまなサービスを提供しているため、そのいずれかに魅力があればエージェント経由で仕事をする意味があるといえるでしょう。
フリーランスエージェントが提供するサービス
エージェントはフリーランスに紹介案件に参画してもらうため「営業代行・案件紹介」「キャリア相談・独立支援」「スキルアップ支援」「福利厚生」などのサービスを提供しています。
営業代行・案件紹介
案件を紹介するためには企業開拓と関係性の維持などセールス・マーケティング活動が必要です。
エージェントは営業担当者を雇用し、SIer、IT企業、事業会社、同業のSESなどフリーエンジニアに案件を発注したいクライアント企業を日々開拓することで、紹介する案件を確保しています。
キャリア相談・独立支援
企業への営業と兼任のケースもありますが、多くのエージェントにはキャリアカウンセラーと呼ばれる登録者との面談をおこなう担当者が在籍しています。
対面や電話、メール、スカイプなどを通して無料相談を行い、職務経歴書やスキルシートの書き方、フリーランスとしての独立・開業の相談などに対応します。
スキルアップ支援
書籍の購入補助やセミナー・勉強会などを開催し、登録するエンジニアのスキルアップを支援する取り組みをおこなうエージェントも存在します。
プログラミングスクールと業務提携したり、自社で無料の教室や教育講座を運営することで、未経験からITエンジニアを養成し、フリーランスとして独立までを支援するようなサービスもでてきました。
フリーランスエージェントの利用方法
フリーランスがエージェントのサービスを活用するためにはどのような手順を踏む必要があるのでしょうか。
最後に、エージェントの利用方法を解説します。
エージェントに登録する
まずは、ウェブサイトからフリーランスエージェントに登録しましょう。多くの場合、エージェントへの登録は無料で行えます。
比較のためにも、この段階ではひとつに絞らず、複数のエージェントに登録して話を聞いてみるとよいでしょう。
多くのエージェントは首都圏を中心に営業をおこなっているため、東京以外の地域で探す場合は、エージェントの対象エリアを確認しておきましょう。
エージェントとの面談を予約する
サイト上から登録したメールアドレスにエージェントから連絡があります。メールに返信して面談の日程を調整しましょう。
エージェントによっては、面談前に職務経歴書や履歴書の提出が必要な場合もあります。あらかじめそれらのドキュメントを用意しておくと、面談までがスムーズです。
面談をして案件の紹介をうける
フリーランス求人の場合は、非公開の求人案件も多く面談をしてから案件の紹介をうけることがほとんどです。面談の場で案件を紹介されることもあれば、面談後にエージェントから連絡がくることもあります。
案件にエントリーするかしないかは、その時その時で判断可能なため、興味があればいちど相談してみてもよいでしょう。
参画したい案件の希望や稼働日数、勤務地などの条件面はあらかじめ決めておくとよいです。初心者の場合や、正社員として働いているようなケースでよくわからない場合は、そのあたりも含めてエージェントに相談してみてもよいでしょう。