フロントエンドエンジニアのフリーランス単価相場は?求人動向・案件獲得・独立のポイント
この先、フロントエンドエンジニアで独立を考えている方も多いのではないでしょうか。
React、Vue、Angularなどのフレームワーク利用経験のあるエンジニア求人需要は伸びており、エージェントでのフリーランス募集も伸長しています。
この記事では、フリーランスのフロントエンド案件の単価相場や仕事内容、必要な能力、案件獲得の方法など紹介します。
- フリーランスのフロントエンドエンジニアという働き方
- フロントエンドエンジニアの仕事内容
- フロントエンドエンジニアの単価
- フリーランスのフロントエンドエンジニアになるには
- フリーランスのフロントエンドエンジニアに必要なスキル
- 高単価なフロントエンド案件を獲得するために
- フロントエンドエンジニアの将来性
フリーランスのフロントエンドエンジニアという働き方
Web業界では、企業に数年間勤務して経験を積んだあとにフリーランスとして独立することも珍しくありません。
ここでは、UI/UXやフロントエンド開発の案件で活躍するフリーエンジニアについてみていきましょう。
フロントエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアは、Web開発においてユーザーが閲覧し操作する箇所の実装を担当する技術者です。
フロントエンドの開発では、プログラミング言語として、HTML・CSS、JavaScript、TypeScriptなどの言語がもちいられます。
フロントエンド開発の需要が高まる背景
あらゆる分野でオンライン利用が伸長するなか、Webサービスやスマホアプリなどの顧客接点を重視する企業も増えています。
そして、ユーザー体験の重要な部分をしめるUIに関わるフロントエンド技術者の需要も増しているのです。
フロントエンドエンジニアの案件数・フリーランス求人動向
フロントエンドエンジニアのフリーランス市場を確認する指標として、企業が募集する求人数があります。
実際にどの程度フロントエンド開発の案件が掲載されているか、エージェントサイトで調べてみたところ、クラウドテックでは610件でした。
業務委託のエンジニア案件では、企業に常駐して仕事をするタイプがほとんどですが、最近ではリモートや在宅ワークで稼働する案件も増加傾向にあります。
フリーランスエージェントでは、サイト上に案件を公開しない非公開求人も多くあります。実際の求人数が気なる際は直接確認してみてもよいでしょう。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアの仕事は、ユーザーが操作する画面(UI)を開発することです。
マークアップ
Webデザイナーの作成したデザインを元にHTMLとCSSで、Webベージをマークアップします。
テキストや画像の配置、ボタンなどの装飾についても HTML/CSSを編集するため新規構築だけでなく、修正の依頼も多くあります。
HTMLコーディングは、組織によって、フロントエンドエンジニアではなく、コーダーやマークアップエンジニアの業務とされることもあります。
フロントエンド開発
JavaScriptを使用した動的な処理の実装やモダンなフロントエンド開発はフロントエンドエンジニアのメイン業務です。
サーバーサイドの処理をフロントエンドで受け持つケースも増えており、ユーザー認証やデータの受け渡しなどの機能を実装することもあります。
JavaScriptの基本的な処理に加え、Ajax、APIなどサーバーサイドについても経験しておくとよいでしょう。
企画設計
Webサービスやアプリケーションに関して、フロントエンドの処理を適切な粒度でグルーピングし構成を企画したり、既存環境の見直しを図ります。
CMSの導入やCSSの規約作成、テンプレート化など共通で使用できるコンポーネントやルーティングの設計も行います。
フロントエンドエンジニアの単価
フロントエンド案件の単価相場(フリーランス)
フリーランススタートによると、週5日常駐で月140〜180時間の案件で、フロントエンドエンジニアの単価相場は60万円〜80万円程度です。
経験や技術によって単価も変わるため、バックエンドの経験があるエンジニアやVue.js、Reactなどのスキルがあると待遇が良くなるでしょう。
高単価な案件を受注すれば、年収1000万円を目指せるでしょう。
フロントエンドエンジニアの平均年収(会社員)
マイナビエージェントの調査では、会社員で働くフロントエンドエンジニアの平均年収は385万円です。
IT系の他の職種に比べると低い水準ですが、会社や役職によっても給与レンジは異なります。
リーダー経験やマネージャー経験があると年収600〜800万円を目指すことも可能です。
フリーランスのフロントエンドエンジニアになるには
フリーで働くには実務経験が必要
フロントエンジニアが業務委託のフリーランス案件を受注するには、どうしても実務経験が求められます。
そのため、未経験からフリーランスを目指す場合でも、まず会社員エンジニアへの就職・転職を行います。
プログラミングスクールや独学で勉強して、クラウドソーシングなどで仕事を受け始めることもできますが、挫折することも多いため注意しましょう。
独学で勉強するよりも会社に就職して働いたほうが、実践的なスキルを身につけることができ成長も早いです。
フロントエンド案件の獲得方法
会社に数年間勤めた後は、独立してフリーランスで仕事をすることが可能です。フロントエンドの仕事の探し方を紹介します。
エージェントを利用する
フリーランスエンジニアの仕事探しに利用されることが多いのが専門のエージェントです。
エージェントは法人のクライアントとなる事業会社やSIer、コンサルファームなどに営業して、業務委託の仕事を常に抱えています。
職務経歴書やスキルシートを登録して、希望するジャンルや単価、週何日稼働するかなどを伝えると、マッチする案件を紹介してくれます。
独立を検討する際なども、フリーランスエージェントに登録して紹介される案件を確認してみるとよいでしょう。
クラウドソーシングで探す
フロントエンドやWebデザインの案件は、クラウドソーシング上でも多く募集されています。
クラウドワークスやランサーズなどに登録して手続きを完了すると、クラウドソーシング上の募集に応募できるようになります。
エージェント経由の案件に比べ、クラウドソーシング上の依頼は小規模で安価な取引が多い傾向にあります。
その分、契約条件には融通が効きやすく、在宅やリモートワークの仕事がほとんどです。
紹介や直接営業
フリーランスの仕事獲得の方法として、知人の紹介もよくある方法です。独立前の勤務先や前職の同僚など知り合い経由で話が持ち込まれることも多いでしょう。
そのように直接依頼を受けた仕事では、エージェントやクラウドソーシング経由のようにマージンを抜かれることがなく働き方の自由度も高いでしょう。
また、フロントエンドエンジニアの案件は、WebデザイナーやWebディレクターなど他の関連する職種からの紹介も多いです。
ポートフォリオを用意して、自身のブログやSNSなどと関連付け、問い合わせフォームなど見込み顧客からの連絡も受け取れるようにしておきましょう。
フリーランスのフロントエンドエンジニアに必要なスキル
開発スキル
HTML、CSS、JavaScriptなどでの開発経験はフリーランスのフロントエンドエンジニアとして働く上で必須です。
ブラウザ上でWebページを表示するにはHTML/CSSでコーディングをおこないます。
UI/UX設計
フロントエンド開発をおこなう上では、ユーザー体験やユーザビリティを考慮した設計をおこなう必要があります。
コードを書くだけでなく、ビジネス課題やユーザーの利用目的を解決することを念頭に開発を進めます。
サーバーサイドの知見
フロントエンドとバックエンド(サーバーサイド)で分業する職場は多いですが、サーバーサイドの経験があると受注できる案件の幅が広がります。
高単価なフロントエンド案件を獲得するために
マネジメント経験
エンジニアチームのマネジメント業務やリードエンジニアとしてコードレビューの経験があるとフロントエンド開発のスキルに対する信頼性が向上します。
一般的に開発メンバーとしてジョインするよりも、PMや技術顧問のほうが単価が高いのです。
技術選定や設計などの経験
技術選定や要件定義など上流工程の仕事はフロントエンド案件のなかでも、より広範囲な知識やビジネス理解を必要とする業務です。
最新技術やフレームワーク、ツールなどをトレンドに沿って経験しておくと案件の幅が広がります。
有名企業やプロダクトでの経験
大手企業への勤務経験や有名サービスの開発に携わった経験を評価するクライアントは多いです。
また、クライアントによっては同業界や自社と似たサービス、アプリの開発者を優遇する企業もあります。
フロントエンドエンジニアの将来性
Web技術の発展とともに、開発エンジニアの役割もフロントエンドとバックエンドに分かれるようになりました。
そのなかでも注目を集め、変化の度合いが大きいのはフロントエンド技術でしょう。
この先の将来、フロントエンドエンジニアの需要はどのように推移するのでしょうか。
JavaScriptの利用が増え活躍の場は多い
フロントエンドエンジニアが対象とする範囲は、HTML/CSSでの静的ページのマークアップに留まりません。
JavaScriptでの開発では、React、Vue、Angularなどのフレームワーク・ライブラリの利用が増加しています。
フロント開発では、それらのモダンな開発環境での仕事が今後も増えるでしょう。
そして、Node.jsやTypeScriptなどサーバーサイドでもJavaScriptが利用されるようになっています。
デジタル化の加速で需要が伸びる
新型コロナウイルスの流行から、企業のデジタルシフトが加速しています。
対面サービスのオンライン化やWeb予約、電子決済などのシステム化は、今後もますます重要になるでしょう。
そして、それらのDXにおいてユーザーとの接点となるUI/UX開発はますます需要が拡大する傾向です。
新しい職種のため将来は未知数
とはいえ、フロントエンドエンジニアはまだまだ歴史が浅く、この先の将来は未知数な点も多いです。
Web開発の歴史のなかでも、サーバーサイドに比べフロントエンドは移り変わりが早く、技術の変遷が何度もおこなわれています。
そのため、この分野に携わる技術者としては、新しい技術にキャッチアップしていく好奇心や技術力が求められるでしょう。
フリーランスエージェントの手数料・中間マージン・搾取されないために
無料で登録できてフリーランスの仕事探しに役立つエージェントですが、中間マージンや手数料が気になる方も多いのではないでしょうか。
優良なエージェントを活用すれば、直接契約よりも高単価な案件を受注できる一方、悪質なエージェントやSES企業では、極端に高いマージン率を設定しているため注意が必要です。
この記事では、初心者にもわかりやすく「フリーランス案件の商流」や「エージェントの手数料」「マージン率」について紹介します。
搾取されないためのチェックポイントや注意点も参照しましょう。
- フリーランスエージェントとは
- フリーランスエージェントのマージン率
- フリーランスエージェントの手数料の設定方法
- フリーランス案件の商流の仕組み
- フリーランスエージェントに搾取されないために
- フリーランスエージェントとの交渉のポイント
フリーランスエージェントとは
フリーランスエージェントのマージンや収益構造について理解するためにも、事業の成り立ちやビジネスの仕組みを把握しておきましょう。
フリーランスエージェントのビジネスモデル
フリーランスエージェントのビジネスモデルは、企業から依頼のある人材募集や求人案件、タスクなどをエージェントに登録したフリーランスに仲介する業務により成立しています。
言い換えると外部人材を探している企業と、力を発揮できる場所を探しているフリーランスとをマッチングするのがエージェントの役割といえます。
そのため、企業・フリーランスともに固定費や初期費用がなく無料で利用できるサービスを提供するエージェントがほとんどです。
企業から広告費や媒体掲載費といった名目で収益を得る事業者もありますが、多くのエージェントは、成果報酬の料金体系を採用しています。
フリーランスエージェントの手数料と収益モデル
フリーランスエージェントが収益を得る手段として、一般的なのは仲介手数料です。クライアントから受注した業務委託の仕事をフリーランスに再委託して、受注金額から手数料(中間マージン)を差し引いた金額をフリーランスに報酬として支払うのです。
また、基本的なサービスを無料で提供する代わりに成約時に紹介料という形式やシステム利用料のような名目で企業から収益を得るエージェントも存在します。
エージェントの手数料について、代表的な方法を以下で紹介します。
仲介手数料
エージェントのマネタイズで一般的な方法が仲介手数料です。企業とエージェント、エージェントとフリーランスがそれぞれ契約を交わし、エージェントはフリーランスに業務を再委託します。
企業から受け取る受注金額とフリーランスに支払う報酬金額の差額がエージェントの収益になります。
紹介手数料
転職エージェント業界でよく見られるマージンの取り方が成功報酬型の紹介フィーです。エージェントから紹介したフリーランスに仕事を依頼する契約がまとまった際に、法人側のクライアントとなるエンド企業や元請け企業から紹介手数料を受け取ることができます。
この形態では、企業とフリーランス、もしくは、元請け企業とフリーランスが直接契約を交わします。
システム利用料
エージェントの中には、企業とフリーランスがマッチングするためのシステムやプラットフォームを提供して対価を得る事業者もあります。このパターンでもフリーランスは無料で、企業から登録料やプラットフォーム利用料などの名目で費用を受け取る場合が多いです。
料金体型としては、固定費のみの場合もあれば、成功報酬のみや、固定費と成功報酬の組み合わせのパターンがあります。
フリーランスエージェントの役割
フリーランスエージェントは、フリーランスと企業を仲介する役割を担います。ここでは「フリーランス」と「企業」のそれぞれに対して、エージェントが果たす役割をみていきましょう。
フリーランス
エージェントがフリーランス向けに提供する主なサービスとしては以下のような内容があります。
- 案件情報の提供
- 企業面談への同席・面接対策
- 条件交渉や契約のサポート
- 参画後のフォロー
このように、企業に対する営業代行を中心にフリーランスが案件に参画できるよう支援するのです。
企業
一方で、エージェントは、企業に対してもサービスを提供しています。
- 人材情報の提供
- 募集する人材要件の定義
- 候補者の選別・推薦
- 契約のサポート
個人と直接契約することを面倒だったり、リスクと捉える企業もあり、エージェントを間に挟みたい企業も少なくありません。
クラウドソーシングやマッチングサービスとの違いは、上記のような人の手を介したサポートの有無といえるでしょう。
フリーランスエージェントのマージン率
さきほどフリーランスエージェントの収益構造で、代表的な収益モデルの例に仲介時の手数料を紹介しました。稼働中フリーランスの報酬に対する手数料をメインの収益とするエージェントでは、マージン率が決まっている会社も多いです。
そこで、ここではエージェントのマージン率の相場について紹介します。
エージェントのマージン率の相場
フリーランスエージェントのマージン率は会社によってまちまちですが、一般的な目安としては、20%〜30%といわれています。
例えば、企業から支払われる報酬の金額が100万円でマージン率が20%の場合で考えてみましょう。
総額100万円からエージェントの手数料として20万円が差し引かれ、80万円がフリーランスの取り分になります。
マージン率よりも報酬金額が重要
仮にマージン率が30%と20%のエージェントがあったとして、報酬が同じ100万円であれば料率が20%のエージェントを利用したほうが得なのは間違いありません。
一方で、マージン率30%でも報酬金額が120万円であれば、取り分は84万円になり、4万円多い計算です。
最終的に受け取れる金額に拘って受注するようにしましょう。
マージン率が非公開のエージェントも多い
フリーランスエージェントの中には、マージン率を公開しているエージェントもありますが、エージェント全体からみると少数派です。エージェント全体では、マージン率を非公開とするエージェントのほうが多いのです。
複数のエージェントに登録して比較する
マージン率を確認するには、複数のエージェントに登録して同じ案件の単価報酬を比較しましょう。
マージンを取られるというと、エージェントに搾取されているような気分になりますが、エージェントとフリーランスは持ちつ持たれつの関係です。
エージェントも利益を出さないことには事業を継続できませんし、フリーランスも案件紹介は無料で受けられます。
フリーランスエージェントの手数料の設定方法
次に、エージェントの手数料の設定方法を紹介します。報酬金額に対して、20%や30%など一律のマージン率を設定するルールを基準に、単価や継続回数によって調整をかける方法が一般的です。
単価に応じた調整
案件の報酬が100万円であれば、30万円を手数料で差し引いても70万円が残ります。一方で、報酬が50万円の案件で30万円を手数料で取るとフリーランスの手元には20万円しか残りません。
案件の単価に応じてエージェントが得られる手数料にも自然と限界がでてくるため、報酬の価格帯に応じてマージン率や手数料の固定金額を調整するのです。
契約実績に応じた調整
エージェントはフリーランスと企業の間に入り契約をサポートします。その際に、初回契約よりも、何度も契約更新しているフリーランスは信用面や管理コストに差があるのが実態です。
そのため、初回契約時は途中退場や音信普通などのリスクを織り込んで、継続の場合の手数料よりも高い料率設定の方式を採用するエージェントもあります。
営業担当の裁量での調整
エージェントによっては、一定のマージン率のなかで現場の営業担当者に手数料率の決定が一任されているケースもあります。
どうしても決めたい案件や急募で依頼がきており、人材が希少な案件であれば通常よりも低いマージン率で案件に入ることができます。
スキルや職種によってはこのタイプのエージェントを利用することが一番利益につながることもあります。
初心者におすすめは公開型エージェント
マージン率を公開しているエージェントは、会社で厳密にルールが決まっていることも多く、担当者個人の裁量は小さいところがほとんどです。
その代わり、過度に高いマージン率で案件を紹介されることもないため、フリーランス初心者にはおすすめです。
一方で、マージン率非公開のエージェントでは、案件や担当者毎にマージン率がことなるため、相場に対して低いか高いかの判断をしていく必要があり、ある程度慣れてからのほうがよいでしょう。
フリーランス案件の商流の仕組み
フリーランスエージェントの中間マージンを理解するには、クライアント企業から元請け企業、元請け企業からエージェント、エージェントからフリーランスというIT業界の多重下請け構造を理解する必要があります。
フリーランスと発注元となるエンド企業の間に挟まる企業が少ないほど「商流が浅い」多いほど「商流が深い」と表現されます。
エージェントから紹介されるフリーランス案件は、この商流によっていくつかのパターンに分類されます。
一次請け
エージェントがエンド企業に営業して獲得してきた案件です。フリーランスとの間にエージェント1社しか仲介業社を挟まないため、マージンを最小限に抑えられます。面談回数も少なく、決定のスピードも早い傾向にあります。
二次請け
エージェントがSIerなどの元請け会社やプライムベンダーに営業して獲得してきた案件です。間に数社入るため、その分のマージンが引かれますが、上限予算が高いポジションでは一次請けの案件よりも報酬が高くなります。
三次請け
元請けSIerやプライムベンダーから仕事を請け負う、二次請け、三次請けのシステム会社やSES企業から依頼を受けエージェントが人員を調達する案件です。間に複数社が介在するため、報酬の金額が低くなりがちです。
直接契約
エージェントを通さずに、クライアントとなるエンド企業と直接契約するパターンです。間に企業が挟まらないため、マージンを取られることはありません。
フリーランスエージェントに搾取されないために
エージェントに法外なマージンを取られないために注意できることがあります。
フリーランス市場も需要と供給で成立しています。搾取されないためにも、常に適正価格を見分けるようチェックしましょう。
単価相場や市場価値を把握する
自分のスキルセットや経験に対して適正な単価で案件を受注するには、仕事内容や職務経験に応じた報酬の相場を知っておくことが重要です。
フリーランスの単価相場だけでなく、エージェントや元請け企業が受け取る人月単価なども把握しておくと、自分の市場価値を見出しやすいでしょう。
エージェントに希望単価を提示する
エージェントから提示された単価に従うのではなく、自分から希望の単価を伝えることで搾取されにくくなります。
単価をエージェント任せにしたり、初心者だからわからないという態度をしてしまうと、手数料を多めに取られてしまいかねません。
案件選びで妥協しない
フリーランスが搾取されないためには、案件選びやエージェント選びで妥協しないことが大切です。
エージェントや担当が違うだけで、数10万円報酬に差が出ることもあります。
仕事がなく空白期間が続くよりは、何かしら案件に入ることもありますが、より良い条件を探す姿勢は持ちましょう。
フリーランスエージェントとの交渉のポイント
より良い契約条件を引き出すには、フリーランスエージェントの担当者を通してクライアントと交渉する必要があります。
交渉のタイミングは大きく分けて、新規契約時と契約更新時の2つです。
また、マージンを設定している以上、エージェント自体とも交渉の余地があることも覚えておきましょう。
商流を確認する
単価などの契約条件について交渉する際は、事前に商流を確認しておきましょう。エージェントがエンド企業と直接や元請け企業(プライムベンダー)とやりとりしている際は、条件交渉も行いやすいです。
逆に、二次請け以上の商流が深い案件では、そもそもエージェントの取り分が少なく、交渉の余地がなかったりもするものです。
受注金額やマージンを確認する
エンド企業から直接受注した案件など商流の浅いプロジェクトであれば、単価交渉の余地もあります。
エージェントの受注金額やマージン率を確認して交渉の幅を把握しましょう。マージン率を担当者に聞いて、回答が得られない場合は、同じ案件の単価で他のエージェントと比較してみましょう。
更新タイミングで単価交渉する
賃貸マンションやアパートと同様にフリーランス案件の単価交渉でも、契約更新時はタイミングとして狙い目です。
ただし、あくまでも必要とされているから交渉が成り立つことは理解しましょう。
役立つプロフェッショナルとして、現場で信頼されることが最低限必要です。
継続依頼の意向を受けたタイミングで、単価アップを交渉してみましょう。
フリーランスエージェントを利用する流れ|登録から面談・条件交渉・仕事開始まで
フリーランス(個人事業主)が高単価な仕事探すには、エージェントの利用がおすすめです。フリーランスエージェントは、外部人材を必要とする企業に営業して業務委託の求人案件を開拓しており、登録することで様々なサポートを受けられます。
今回は、フリーランスエージェントへの登録から契約までの流れ、面談・面接の準備、エージェントの選び方などを紹介します。
フリーランスエージェント利用の流れ
ここでは、フリーランスエージェントに登録して、案件に参画するまでの一連の流れを紹介します。
利用登録
まずは、インターネット検索などでフリーランスエージェントを探してサイト上のフォームから必要事項を送信しましょう。LINEやチャットなどに登録したエージェントもあります。
記載したメールアドレスや電話番号などに担当者から連絡が届きます。2、3日たっても連絡がない場合は、こちらから確認してみてもよいでしょう。
エージェントによって得意領域やサービス内容が異なるため、複数エージェントに登録することをおすすめします。
書類送付・スキル登録
登録時に記載した連絡先に、エージェントから今後の流れや面談依頼についてメールが届きます。
職務経歴書やポートフォリオの提出を求められることもありますが、指示にしたがいましょう。
エージェントによってはサイト上からログインして、スキルや経歴など登録する形式もあります。
エージェント担当者と面談
ほとんどのエージェントでは、案件紹介前に面談や電話でのカウンセリングが必須となります。
事前に送付したスキルシートや職務経歴書をもとに、これまでの経歴や希望条件などをヒアリングします。
最近は、対面ではなくオンライン面談も増えています。エージェントによっては平日の夜間や土曜日の対応も可能です。
案件紹介
エージェントへの登録が完了すると、スキルや希望条件にマッチした求人の紹介があります。メルマガのような形式で定期的にメールが届くこともあります。
大手のエージェントであれば、面談時に案件の紹介を受けることも多いです。
気に入った案件にエントリーすると、エージェント担当者から企業へ推薦がおこなわれます。
書類選考の結果はメールや電話で連絡が届きます。
企業との面接
書類選考で問題なければ、次はエンド企業や元請け企業の担当者と面談です。プロジェクトの詳細については商談時でしか聞けないことも多いです。
エージェントの担当者も同席して、案件に関する説明を受け、自己紹介や質疑応答などに対応します。
案件を受注するために、得意技術や知識、実績などを丁寧に説明しましょう。
条件交渉
企業からのオファーがあると、報酬や契約条件についてエージェント担当者から連絡があります。参画の日時や稼働時間、PC貸与の有無など詳細条件を調整します。
単価についての交渉を行うこともできるため、希望条件があれば伝えましょう。内容に納得したうえで契約を結ぶことが大切です。
参画開始
契約を取り交わして、正式に仕事を受注して稼働を開始します。契約内容の通りに業務を遂行して作業報告書を提出します。
月末や月初には請求書の発行をおこなうことで報酬を受け取ります。
エージェントによっては、参画後のフォローも充実しています。
フリーランスエージェントに登録する前に
基本的にエージェントは成果報酬のため、相談やカウンセリングは無料です。独立を検討中の会社員やエージェント登録が初めてのフリーランスこそ積極的にエージェントを利用するとよいでしょう。
ここでは、エージェント利用の前に準備しておくとよい点について紹介します。
得意分野を確認する
案件紹介に対応するフリーランス職種や案件ジャンルは、エージェントにより異なります。エンジニアやコンサルタント、クリエイターなどは対応エージェントも多く探しやすいでしょう。
フリーランスエージェントのサイト上で特徴や求人情報を確認して、自分の経験職種や経歴にマッチした会社を選んで登録しましょう。
サービス提供エリアを確認する
東京など首都圏であればどのエージェントも問題ないですが、大阪や名古屋、福岡など地方都市にも対応しているエージェントは少ないです。
サイトに記載されていない場合もあるため、案件情報などが気になるエージェントがあれば、対応地域やエリアに関して問い合わせてみてもよいでしょう。
希望条件をまとめておく
エージェントに案件探しを依頼する際には、簡単に希望条件をまとめておくとスムーズでしょう。
探している仕事のジャンルや最寄駅などの勤務地、リモートか常駐か、週に何日稼働するか、などを整理します。
何を条件として提示すればよいかわからない際は、最初に1社カウンセリングを受けてみることもおすすめです。
スキルシートを用意する
フリーランスエージェントの面談では、職務経歴書やスキルシートの提出が必要なことが多いです。
転職エージェントと異なり、履歴書は必要ありませんが、職務経歴をフォーマットにまとめておきましょう。
デザイナーやフロントエンドエンジニアなど職種によっては、過去の実績をまとめたポートフォリオを用意しましょう。
フリーランスエージェント選びのポイント
自分にあった案件を探すためにも、最初は複数のエージェントに登録して利用するとよいでしょう。ここでは、エージェント選びのポイントを紹介します。
案件の有無
フリーランスがエージェントに登録する目的として、案件の紹介を受けることが一番でしょう。
そのため、自分が受けたいと思える求人案件があるかどうかは選定のポイントとして重要です。
面談前などの早いタイミングでスキルシートを送付して、自分にあった案件を保有しているかどうかを確認しましょう。
また、商流の浅い案件やクライアントと直接の案件を保有しているかどうかも確認しましょう。
支払いサイトの長短
フリーランスとして業務委託で案件を請け負う働き方では、請求書を発行して報酬を受け取ります。
支払いサイトは、「何日締め、何日払い」といった代金支払いの基準日から支払い日までの期間です。
お金を受け取る側として、入金は早いに越したことがありませんが、この支払いサイクルもエージェントにより異なります。
15〜30日程度が目安ですが、なかには45日などのエージェントもあるため注意しましょう。
担当者との相性
エージェントを選ぶ際に、担当者との相性も確認すべき項目のひとつです。
発注側のクライアントと受注側のフリーランスの間に立つエージェントとして、信頼できる担当者に交渉や調整を任せたいものです。
こちらの伝えた内容に対して、的確な受け答えができない担当はNGですし、返信漏れが多かったり、レスポンス速度の遅い担当は信用できないでしょう。
紹介される案件の質は満足しているが、担当の対応が悪いという場合は、担当替えを相談してみてもよいでしょう。